速く走る13(運動会のスタート)

運動会の徒競走やリレーではスタンディングでスタートする学校がほとんどだと思う。

僕が子どもの頃に教わったヨーイの構えは、両腕を前後に大きく開き、こぶしを握り締める。両足を大きく開き、少し前かがみで腰を落とす。という感じ。いま考えてみると、こんな構えで速く走れるわけがない。

クラスで何番目といった低いレベルでは、スタートが一番大事になる。なので、教室ではスタートだけに1時間かけることにしている。

まず手はそんなに上げなくていい。手に意識を集中させるよりも、足に集中させたい。例えば野球の盗塁王が、両腕を大きく構えて盗塁するのを見たことがあるだろうか。手は下にぶらんと垂れさがっているか、上げるとしてもタイミングを取る程度だと思う。

こぶしは握りしめない。パーにして少し力を抜くか、もう力も入れずにダラっとしたくらいのほうが腕ふりが楽になる。

両足を大きく広げすぎると、自分の重心が前に置いた足を追い越すのが大変になる。前に出した足の母指球の上に自分の重心が来る感じがちょうどいい。

前かがみになるのはかまわないけど、腰を曲げないようにしたい。走る姿勢は気を付けが基本。気を付けのまま少し前に倒れ掛かる感じ。体重の割合は、前足に9後ろ足に1乗せる。腰が曲がってしまうと、足を前に出すことができなくなるので、まっすぐにしておく。

足の幅も広すぎると2歩目が大変になる。靴1個分くらい開けるくらいがいいと思うけど、これは自分の感覚に任せておく。

ヨーイの構えはこれくらい。