全国大会に行く小学生

【全国大会に行く小学生のお話】

富士地区ではどのスポーツも全国大会に出場する小学生が意外と多くいます。しかし選手のことを考えるといい面ばかりではありません。

小学生で全国大会に行くためには、その競技だけに集中する必要があります。それ自体はいい面もあるのですが、見る角度を変えると、他の部分は育てられてないということです。一つのことしかやってこなかった選手は高校になると勝てなくなる傾向にあります。18歳のときにベストな選手になるためにも、小学生のうちはその競技だけに特化させないほうがいい。

例えばテニスを週6週7で練習させれば、たいてい小学生の全国大会に行きます。そして中学で肩を壊し、高校で『運動は苦手だけどテニスが上手い子』になり、中学から始めた運動神経バツグンの子に負けてしまう。

例でテニスを出しましたが、他のスポーツでも「両親ともその競技をやっていて社会人の試合に出ている」「お父さんがクラブのコーチをしている」というご家庭に多いです。そういう選手がどこか痛めてきた時に「テニスは週2にして、他の日はサッカーやスイミングをやってはどうですか?」と私は必ず伝えることにしています。

そのスポーツの練習回数を減らすことは、競技力を低く設定するということではありません。むしろ18歳のときの総合力は高くするために、さまざまなスポーツを経験させたいです。

もし本気でベストな選手にしたいのなら、小学生のうちはメイン競技は週3以内が望ましいです。そしてサッカーならバスケ、バドミントンなら陸上のように、手と足が使える習い事を組み合わせてください。メリットは運動神経が良くなり、同一個所の摩耗を防ぐので怪我の予防になります。一時的にメイン競技に嫌気がさしてしまったときの避難場所にもなります。デメリットはありません。

「そんなことはない、オリンピック選手が『子どもの頃から毎日練習していました』って言っていた。」という意見の方もいると思います。もちろんそういう特例もあります。100人に1人の毎日同じことをやって金を取る才能と、潰れてしまう99人がいます。

これは私個人の意見ではありません。例えば日本陸上競技連盟は以下のようなガイドラインを設定しています

特に大事なのが②トレーニングの頻度は、週に 2 日ないし 3 日とし、1 日 1.5 時間くらいとすること。また、1 日の総走行距離は5kmを超えてはならない。という部分です。

小学生のうちから毎日走らせれば全国大会に行きます。でもそれは本気でトップを目指している親は自分の子どもが小学生のうちにそんなことはさせないから全国に行けるのです。子どもの将来、高校生大学生になったときにいい選手になって欲しいと願うなら、陸上は週3回までにしましょう。他の日はテニスでも、野球でもかまいません。何か他のスポーツをやってください。

そしてもしクラブのコーチがその練習頻度を指示しているとしたら、そのコーチは目先の勝利しかみていない。もしかしたら自分自身の名声のために走らせているのではないかと疑ってください。スポーツのトッププロ選手とお話しする機会があれば「週7で練習するのと、いろいろなスポーツを組み合わせて練習していくのと、どちらがいいと思いますか?」と聞いてみるのもいいと思います。